成長期を過ぎた成熟期
2011年の東日本大震災以降、消費者の節約傾向が強まりしばらく売上は減少傾向が続いていました。
ですが少しずつ戻りの傾向も見え始めてきており、現在では成熟企業として落ち着いた横ばいを続けています。
日本国内の外食産業は既に成長期は過ぎた成熟期に入ってきているので、中長期的な視線を考えても今後急成長していく可能性は少ないと言われます。
一方で消費者の嗜好は多様化しており、サービスの質についても高いレベルが要求されるようになっています。
ファミリーレストランが全盛期の頃は、とにかく安価ですべての分野の料理をなんでもカバーするというタイプのお店が人気となっていましたが、最近ではそのような拡大路線は折り返しに入っています。
フランチャイズ展開をするファミレスでは,地方の不採算店を早めに撤退させて優良店舗に投資を集中させ、変わって専門的な料理を出すお店に作り変えるという方法が採られています。
外食産業のシェアトップであるすかいらーくでは、総合ファミリーレストランのガストを事業の中心としつつも、ステーキ専門店のステーキガストや、中華料理専門店のバーミヤンを展開しています。
第二位のロイヤルホールディングスも同様に、ファミリーレストランのロイヤルホストを中心に、カウボーイ家族という新しい店として再出発させるという方法をとっています。
専門分野で勝負
またゼンショーグループではサンデーサン、ビッグボーイジャパン、華屋与兵衛、ココスジャパンというメニュー品目をジャンルによって完全に区別したタイプのお店をそれぞれ運営しています。
専門分野に特化した外食店のみで勝負をしている企業あり、餃子の王将でおなじみの王将フードサービスや和食レストランの木曽路が独自の路線でファンを数多く獲得しています。
地方に目を向けると九州地域ではジョイフルが、関西地域ではサトレストランシステムズが圧倒的な強さを見せています。
ただ専門店の中でも人気の分野ではかなり激しい競争が繰り広げられており、牛角の焼き肉チェーンのレインズインターナショナル、焼肉屋さかいのさかい、あみやき亭、安楽亭と各地でサービスや価格面でしのぎをけずるという状況が続いています。
業界全体の売上をみたときのもう一つの特徴が、震災前は高級志向のディナーレストランよりもファミレス系が優勢であったのにここ最近になって逆転現象がおきつつあるということです。
やはり外食には手軽さではなく特別感を求める傾向があるようです。