カメラマンとグラフィックデザイナーの中間の仕事
「フォトグラファ」は、近年大きな注目を受けるようになってきた映像関連の仕事です。
映像関連の仕事というと、カメラマンや映像ディレクター、グラフィックデザイナーといったものがありますが、フォトグラファはそれらの技術を多く用い、独自の映像表現をしているところに特徴があります。
日本においては「アート写真家」といった呼び方をされることもあり、特にここ近年では市橋織江や高橋ヨーコ、アミタマリといった女性フォトグラファの活躍が目立ちます。
通常のカメラマンの仕事は、報道写真や広告写真、営業写真などといった何らかの目的のために使用される映像を撮影することです。
しかしフォトグラファの場合はより芸術的な方向に先鋭化をさせており、写真という映像表現を使って、見る人に何らかの影響を与えることを目的としています。
有名フォトグラファになると有名人から写真集を撮影する依頼が来ることもあり、写真集には撮影をしたフォトグラファの氏名も併記されます。
多くのカメラマンはそうした自分自身の芸術性を表現できるフォトグラファを目指して活動していますが、自身の名前をブランド化できるレベルにまで有名になれるのは、ごくごくわずかな人のみです。
自分だけの表現を作り出せるかが勝負
フォトグラファ業界は完全実力主義の世界なので、自分なりのスタイルを確立することができるかどうかが決め手となります。
就業をする場合は完全に独学で写真を撮影し、それを出版社に持ち込むという方法もありますが、ほとんどの人は学校に通ったり先輩について下積みをしたりします。
写真や映像を使った表現は芸術系の専門学校や大学に多く取扱いをされているので、そうしたところに入学することで就業のためのコネクションを作ることができます。
就職をする場合は、写真スタジオや広告制作会社に入ることでまずはアシスタント業務を担当することになりますので、そこで写真加工や撮影テクニックを学びます。
新人としてアシスタントに就く時には非常に給料も安く、アルバイトなどしながら副業として行うのが一般的です。
仕事の依頼がはいって来るようになると収入も上がるので、300万円くらいの仕事を確保することができるようになってきます。
自分で写真集を自費出版したり、タレントなどの有名人とコラボをしたりしてフォトグラファとしての名前が売れてくると、収入はかなり高くなります。
出版社から写真集を出せるレベルになると年収は700万円を超えてくるので、そこから独自のブランド展開をしていくことになります。
ただしフォトグラファでは必要な機材が多く、常に新しいものに買い替えていかないといけないことから、商売が軌道に乗るまではかなりきつい経済状況におかれてしまいます。