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映画配給の年収

お金

映画の買い付けと上映交渉をする仕事

映画業界の業界形態は、非常に特殊です。
例えばテレビ業界の場合には、テレビ局が製作をする番組の企画を立ててそれを制作会社に下請けに出し、それを広告収集をもとに放映するという比較的わかりやすい方法がとられます。

しかし映画の場合、フィルムを製作する制作会社と上映する映画館は直接関係ないことが多く、その二社の間には「映画配給会社」が存在しているのです。

大きな流れとしては、まず映画制作会社が出演者や監督、カメラマンなどのスタッフを集めて一本の映画を製作します。

それを賞に出品、もしくは直接映画配給会社に売り込み、買い取りをしてもらいます。
映画配給会社が買い取った映画はその後映画館と交渉をして、いつからどのくらいの期間で上映されるかというスケジュールが組まれます。

実は戦後間もなくの映画が非常に庶民の娯楽として人気が高かった頃には、映画会社は直接映画を制作していました。

五大映画社と言われていたのが東宝・東映・松竹・大映・日活で、それぞれが独自の路線で映画製作を行い、自社チェーンの映画館で上映するという一元的な業界運営がされていたのです。

しかしテレビやビデオ、DVDといった別の映像メディイアが一般的になったことにより、映画の上映の売上は大幅に下がり、映画館チェーンが数多く倒産・廃業となりました。

現在も映画会社が直接映画製作をすることはありますが、多くても年間1~3本くらいのもので、ほとんどが他の映画会社が制作したものを買い取って上映しています。

このあたりが映画業界の問題点で、映画会社は赤字になる可能性が高いため、売れるかどうかのリスクがある映画製作を切り離し、確実に儲けが計算できる配給と興行に力を入れるようになったのです。

ある意味今の映画業界で最も儲かっているのは配給会社と言ってもよく、年収面でも最も恵まれた環境にあります。

キャリアアップをすれば高収入も望める

映画配給会社では、ヒットをしそうな映画の権利を買い取り、それを広告宣伝して興行収入を得るという運営方法をしています。

映画配給会社は大小様々ですが、最も勢力が大きいのは映連加盟会社4社であるKADOKAWA、松竹、東映、東宝です。

その他独立系大手としてアスミック・エース、ギャガ、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、日活があり、その下に数多くの企業があります。

大手配給会社の新人年収は200~300万円程度からのスタートとなりますが、ベテランとなりヒット作の買い付けができるようになってくると一気に年収は上がります。

40代のベテラン営業では年収700万円くらいが平均となっているので、積極的に映画関係者と人脈づくりをして有名作品を買い取りできるようにすることが重要です。